『ホロン革命』序章 要約

 広島に原爆が投下された日以来、人類は種としての絶滅を意識しながら生きています。

そして、人類の余命はそう長くないようです。なぜかというと、1つには核兵器はさまざまな国で大量に作られているから。そして二つ目には、人類の持つ技術力の高さに対する倫理観の低さとそのギャップのためです。

 この状況を改善するために、現状を把握します。人類の歴史を見る限り、次の4点症状が現れています。

1つには生贄の儀式に現れる、人類の妄想的要素です。今でこそそうした習慣はないですが、精神的な傾向として引き継がれているものとして認識すべきです。

次に自分と同じ種を殺さないという本能的振る舞いの欠如です。

3つ目に思考と感情、理性と情動の間を激しく行き来する慢性的分離

最後に、技術と倫理の落差。

これらが人類の病理症状だと言います。では、これらの症状の原因はなんでしょうか。脳の構造と、人の持つ過剰な忠誠という二つのアプローチから推測します。

 脳には、爬虫類や下等哺乳類と共通の構造を持ちつつも新皮質が付随しているようです。新皮質は進化の過程で追加されたようですが、もとの部分との連携が悪く、爬虫類のような情動メカニズムを持ちながら理性の部分のみが強く発達したそうです。結局、なんやかんやで左脳・右脳の連携(脳梁)は形成されたものの、上下(新皮質と既存の脳)の連携はうまくいっていないようです。

 また、別の原因として、人間の過剰な忠誠があります。忠誠により人はどんなことでも厭わなくなります。では何がそうした熱狂的な忠誠を生むのか。それは、言葉だと言います。